LAST WEEK MARKET─26.9.1-4

LAST WEEK MARKET

先週、米株は週次ほぼフラットで終えました。S&P500は7,718.60(金−0.38%、週+0.1%)、ナスダック総合は26,506.99(金−0.29%、週+0.4%)、NYダウは53,414.25(金−0.51%、週−0.3%)です。

しかし同じ週、ドル円は9月1日夜の160円台前半から、9月3日には一時155円30銭。2日で約5円の円高です。金曜NY終値は156円23銭。日経平均は66,406円→65,021円、週間−1,385円(−2.09%)。日本株下落の主因の半分は、この円です。

「強い雇用=タカ派定着」でも、「円安トレンド継続」でも、単独では今週は説明できません。利上げ確率は木曜49.4%から金曜60.4%へ戻ったが、1週間前は約57%。週初の水準に戻っただけです。株も金利も利上げ確率も、週間では往復して元の位置。

MSマーケット総研が注目する本質はこうです。今週、主語は3つ争っていました。雇用(NFPと2年債)、円(160→155)、そして議長が空けた空白(ガイダンス拒否)。市場が値段をつけたのは往復だけ。残ったのは情報の一点集中——9月11日のCPIです。

FRB

週のスコアカード 9/1–9/5

項目水準今週の値動き読み
ドル円156.23週高値160台 → 155.30円安トレンド終了の疑い
日本10年債3.00%1996年以来の水準節目到達
米2年債4.37%2025年1月以来の高水準急騰ではなく「水準」が論点
利上げ確率60.4%60 → 49 → 60往復。週初に戻っただけ
金4,481−1.3%/金曜 −58.50逃避先まで売られた
BTC79,807高値圏から後退逃避先まで売られた
WTI91.4883.40 → 91.48 +9.7%前号の観測点 的中
日経平均65,021週 −2.09%/TOPIX −1.05%値がさAI株が下げを増幅

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週の着地を確認します。S&P500は7,718.60(金−0.38%、週+0.1%)、ナスダック総合26,506.99(金−0.29%、週+0.4%)、NYダウ53,414.25(金−0.51%、週−0.3%)。週次ではほぼフラットです。木曜はダウ+624.16、S&P+1.06%、ナスダック+1.40%と戻し、金曜の雇用で吐き出しました。ラッセル2000は金曜+0.25%。金利感応度が高い小型が耐えた一方、重いのはダウ(大型景気敏感)です。「金利敏感・消費が重い」は小型ではなく、大型の話に直します。

金曜の非農業部門雇用者数は+162,000。市場予想53,000を大きく上回り、失業率は4.1%で横ばい。6月は+11,000上方修正で31,000、7月は−23,000から+21,000へ+44,000の上方修正。2カ月合計で+55,000の上方修正です。「予想の3倍」は事実です。ただし中身は飲食+59,000(過去12カ月平均12,000)、地方政府教育+42,000(前月減少の反動)、医療は+13,000と鈍化。民間は+127,000、3カ月平均は約71,000。「労働市場は生きている」は、飲食と新学期で作った数字でもあります。

2年債は4.377%。2025年1月以来の高水準で、2年・5年は52週高値を更新しました。発表直後の上げ幅は+4bp。書くべきは急騰ではなく水準です。米10年は4.78%。CME FedWatchの9月利上げ確率は、木曜49.4%から金曜60.4%へ。1週間前は約57%。つまり週初の水準に戻っただけです。発表前を「55%台」と置くと骨が歪みます。発表前は49.4%。往復して元の位置——これが今号の骨です。

VIXは9/4終値14.53(+1.47%)。週内高値は9/1の16.80で、「月〜火がVIX16台」は火曜のみです(月曜終値14.92)。25営業日連続で14〜17のレンジにあり、1992年の記録(26日)まであと1日。恐怖が定着したのではなく、イベントのたびに警戒している——これが数字です。

米国株

用語解説:利上げ確率の往復

週=往復

金曜60.4%、木曜49.4%、1週間前は約57%。雇用で跳ねたように見えて、週で見れば元の位置

ウォーシュJH講演で60%近傍まで上がり、米イラン衝突と世界債券安で折れ、ウォラー「CPI次第」と日銀利上げ観測で49%へ、金曜雇用で再び60%。株も金利も同じ形です。日次だけを見るメディアは、往復の片側しか見ていません。二段構えで読むから、「変わったのは価格ではなく情報」と書けるのです。

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ドル円は9月1日夜に160円台前半。前号の観測点「160円到達時の当局姿勢」は点灯しました。だが到達したその週のうちに、9月3日には一時155円30銭。2日で約5円の円高です。金曜はNYで156円23銭で引けています。

動かしたのは米国の政策経路ではありません。背景は日銀側です。ベッセント財務長官が8/30に植田総裁と会談し、米財務省声明は「円安が日本のインフレ圧力を高めている」と指摘しました。3日には日銀が今月会合で1.25%へ利上げの公算と伝わり、GPIFのポートフォリオ見直し観測も重なって円買いが加速しています。

そして155円は、今年4月と7月の為替介入で下げ止まった水準です。前号は「円安の終わりを決めるのはFRB側」と置きました。到達して、逆に155まで叩き落とされた。答え合わせはFRBの近くにいたベッセント財務長官でした。

WTIは83.40→91.48、+9.7%。7月中旬以来の週間上昇です。月曜、ホルムズでタンカーが被弾。火曜、米軍がIRGC標的を攻撃し、WTIは+5.2%の90.22。攻撃したのは米側です。前号の観測点「WTI 81.71上抜け」は91.48(+12%)で的中しました。「ディスインフレは原油一本の条件付き」——利上げ観測が戻った理由の片側は、この原油です。金は4,481ドル(−1.3%)。金曜、金は−58.50ドル、ビットコインは79,807。逃避先まで売られた週です。

ドル円

用語解説:155円は介入ライン

今年4月と7月、為替介入で下げ止まったのが155円台です。160到達は「円安の終着点」ではなく、介入警戒ゾーンへの再突入でした。来週の観測点は160ではなく155。維持か、割り込むか。日銀会合(9/17–18)がその判定日になります。前号でドル円160円を動かした主語をFRBの側にいたベッセント財務長官でした。

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日経平均の週間は66,406円→65,021円、−1,385円(−2.09%)。TOPIXは−1.05%。差の約1ポイントは、値がさ株が下げを増幅した証拠です。「日本株が売られた」ではなく「値がさAI株が売られた」が正確です。前号は160円台回復でも日経の戻りは+0.59%にとどまると書き、吊り橋の検証を雇用統計まで持ち越しました。検証結果は円高方向で再点灯しています。

火曜、日本10年債利回りが3%に到達。1996年以来です。翌水曜、日経は1,889円安(−2.85%)の64,325円。世界的な金利先高観でAI・半導体株に売り。33業種すべて安。ソフトバンクGが−6.42%で、1社で約271円押し下げました。円高と世界金利高が、同じ綱で値がさAI株を吊った週です。

7月の家計調査、実質消費支出は前年比−3.6%。市場予想−1.6%を大きく下回り、8カ月連続マイナスです。前号で書いた「需要破壊」ラインが、日本側でも出ました。米側も平均時給は前年比+3.1%で、CPI3.4%を下回る=実質賃金はマイナス。日米とも「消費が壊れているのに中銀は利上げ側」という構図です。日銀会合は9月17–18日。FOMC決定(16日)の翌々日です。

日本株

Point!検証:円安の終わりはFRB側だけでは決まらなかった

前週は円安維持のまま日経が吐き、今週は160到達のあと155まで戻され、日経−2.09%、TOPIX−1.05%。どちらも「円安=日本株の独立エンジン」を支持しません。円が解けたとき先に落ちるのは値がさAI株です。「日本株と外貨資産の両方を持てば分散になる」という前提は、円と米金利が逆方向に振れた週ほど危うくなります。

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主語は3つ争っていた。雇用、円、そして議長が空けた空白 市場が残したのはCPIだけ

一本の線で書きます。ウォーシュJH講演で利上げ観測は60%近傍まで上がった。週前半、米軍のIRGC攻撃と世界債券安で折れ、VIXは火曜に16.80。木曜、ウォラー理事が「来週のデータでインフレ鈍化なら据え置き、上振れなら利上げも検討」と条件付きで発言し、日銀利上げ観測と重なって利上げ確率は49.4%、円は155円。金曜の雇用で再び60.4%。株も金利も利上げ確率も、週間では往復して元の位置です。

変わったのは価格ではなく情報です。ウォーシュ議長はフォワードガイダンスを拒否し、「合わせ鏡」問題——市場とFRBが互いを見合って動くこと——を理由に挙げています。WSJは今週の債券売りの一因に、議長が政策の方向を示さないことを挙げました。「ドットがない」は欠落ではありません。議長が意図的に作った状態です。だからCPIが実質的にFOMCの投票になる。ウォラーが「CPI次第」と明言した以上、9月11日はFOMCメンバー1人分の票が数字で決まる日です。

前号の観測点、答え合わせをします。WTI 81.71上抜けは91.48(+12%)で的中。「ディスインフレは原油一本の条件付き」は、利上げ観測が戻る形で回収されました。ジャクソンホールは的中。ただし「ガイダンス拒否」は想定外でした。そしてドル円160円。到達したあと155まで反落した。前号は「円安の終わりを決めるのはFRB側」と置きましたが、動かしたのは日銀利上げ観測と米財務省の口先です。FRB側だけでは説明できない。

金は4,481(−1.3%)。金曜、金は−58.50ドル、ビットコインは79,807。逃避先まで売られた。VIXは25営業日連続で14〜17。1992年の記録まであと1日。テーマは「恐怖の定着」ではなく、「イベントのたびに警戒」です。攻める局面ではありません。ただし引く根拠と戻す条件はセットで置きます。

デベースメント仮説の定着はまだ判定しません。下のCheck Pointで検証します。私たちはプロでもアマでもなく、ただ相場のロジックを最後まで追うストラテジストとして、この検証を続けます。断定は点灯を待ってから行います。

EDGE LOGIC LAB
BTCのインフライメージ

来週の見極めCheck Point!

\↓Check Point!↓/

※注意:これは一つの主観であり決して推奨ではありません。投資は、必ず自己責任の元で行って下さい。

世界の金利

今週の観測点 CPI 9/11・FOMC 9/16・日銀 9/17–18、この3連で仮説を判定する

米金利と世界

先週の相場が示したのは答えではなく、賭け金の集中です。私たちは以下の3つの観測点を設定し、仮説を判定します。

観測点①|米CPI(9月11日 21:30 JST)/PPIは前日9/10

ウォラー理事が「CPI次第」と明言した以上、この数字はFOMCメンバー1人分の票です。反証条件:コア前月比+0.2%以下+WTI 90割れなら、利上げ確率は40%台へ落ち、引いた分は戻す。上振れなら、金曜雇用で戻した60%がFOMCまで固定されます。9/7は米休場。実戦は木〜金です。

観測点②|ドル円155円(介入ライン)と日本10年3%

155円は4月・7月の介入水準。日本10年3%は1996年以来。反証条件:ドル円が158台へ戻し、日本10年が3%を失うなら、今週の円買いと債券安は「観測」で終わった判定です。維持するなら、円安トレンド終了の疑いが実体になります。

観測点③|FOMC(9/15–16)→日銀(9/17–18)の連続イベント

FOMCは決定・SEP・新ドットが16日。ウォーシュ議長はガイダンスを出さないと決めているので、ドットの形そのものが「空白の埋め方」です。その翌々日が日銀。1.25%利上げの公算が円を155まで運んだ以上、連続イベントとして読みます。9月FOMCと日銀は独立ではなく、同じ週の従属変数です。

補助線はWTI 90の維持と、利上げ確率60%の行方です。VIXが26日目に14〜17を切るかどうかは、1992年記録の更新であり、「イベント警戒」仮説の寿命を測る数字です。分かれたのは情報ではなく解釈です。これを見抜けるかどうかは、情報量ではなく読み方の構造を持っているかどうかです。